キミの空になりたい
野球部を引退した上原君。
坊主頭だったのが、少し髪の毛が伸びてきていた。
そういえば、涌井君もだ。
坊主頭で見慣れていたけれど、少しずつ髪が伸びている。
もう少ししたら、また違った印象に見えるんだろうなぁ。
悔しいけれど、見るたびにまだドキドキしちゃうよ……。
「……あのさ」
「ん?」
上原君が口を開いたので、私が首をかしげる。
「藤波さんって、金子と知り合い?」
「金子君?まあ、知り合いって言えば知り合いなのかなー?涼子ちゃんと一緒にいる時に、初めて会ったんだけど……。どうして?」
「いや、この前、コーヒーショップで2人ならんで楽しそうに話してるの見かけたから……」
「……えっ?!」
この前のコーヒーショップ……?!