キミの空になりたい


首をかしげた後、私は涌井君の方に視線を向けた。



「……っ」



向けたとたんに、目があってしまった。


慌てて私の方からそらしてしまう。


避けたり嫌ったりしないでってお願いしたのは私の方なのに。


でも、まだ自然な形で、向き合う事なんてできないよ……。





「ハイハイ。そこ、暗幕しっかりねー。光がもれないように、段ボールで窓ふさがなきゃダメだよー?」



くよくよしているのもつかの間。


夏休み明けてすぐに行われる学園祭の準備で、毎日が忙しくなった。


うちのクラスはお化け屋敷。


学園祭実行委員である、くるみと涼子ちゃんがテキパキと指示を出している。


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