キミの空になりたい
高校生活最後の学園祭という事もあり、クラス内も異様な盛り上がりで準備を進めていた。
「新垣さーん。ガムテープもうないよー?」
「えーっ?!」
「あと、段ボールもたりなーい」
あっちこっちからあがる声に、くるみはメモをしながら走り回る。
「んー、じゃあ、悪いけど汐音、調達してもらってもいい?」
「うん、いいよー」
くるみからメモを受け取る私。
毎年そうだけど、学校の近くにホームセンターがあるので、足りないものがあると、自転車通学の子が買出しを頼まれる。
「え、でも、くるみ。段ボールもあるんじゃ、1人だとちょっと……」
「あ、それもそうだね。えっと、自転車通学で手があいてそうな人……」
「オレ、行こうか?」
くるみと私が教室内をキョロキョロしていたら、後ろから声がかかった。