キミの空になりたい


高校生活最後の学園祭という事もあり、クラス内も異様な盛り上がりで準備を進めていた。



「新垣さーん。ガムテープもうないよー?」


「えーっ?!」


「あと、段ボールもたりなーい」



あっちこっちからあがる声に、くるみはメモをしながら走り回る。



「んー、じゃあ、悪いけど汐音、調達してもらってもいい?」


「うん、いいよー」



くるみからメモを受け取る私。


毎年そうだけど、学校の近くにホームセンターがあるので、足りないものがあると、自転車通学の子が買出しを頼まれる。



「え、でも、くるみ。段ボールもあるんじゃ、1人だとちょっと……」


「あ、それもそうだね。えっと、自転車通学で手があいてそうな人……」


「オレ、行こうか?」



くるみと私が教室内をキョロキョロしていたら、後ろから声がかかった。


< 288 / 341 >

この作品をシェア

pagetop