キミの空になりたい


何しに行ったんだろう……?


不思議に思いながら、涌井君を待っていると、彼は袋を下げて戻って来た。


近くまで来た時、それが隣のコンビニの袋であるのがわかった。



「……はい」


「え?」



涌井君は袋から、パックのミックスジュースを出し、それを私に差し出した。



「ミックスジュース、好きだよね?」


「……うん」



何でそれを知っているんだろう?



「……ありがとう」



受け取ってから、私は小さく言った。


私は涌井君にミックスジュースが好きだって話した事はない。


偶然で買ってきてくれたものだったとしても、こんな事されたら嬉しくて涙が出そうだよ。


< 293 / 341 >

この作品をシェア

pagetop