キミの空になりたい
私は涌井君の隣から解放された事で、ホッとしていた。
暗闇でよかった。
そうじゃなきゃ、きっと赤い顔を見られてしまっただろうから。
「汐音ちゃん。さっき、超イケメンが汐音ちゃんの事探してたよ」
「そうそう。だから、今は係で入ってますって言ったら、1人で入ってったよ」
ミックスジュースを飲んでいたら、受付係だったクラスメイトの女の子2人がそう言った。
「あ、そうなんだ……?」
「汐音ちゃんの彼氏?桃高の人だったよね」
「いいなぁ。優しそうだし、頭もよさそうだしね」
「いやいや、彼氏じゃないよ……」
金子君、確かにイケメンの部類に入るよね。