キミの空になりたい
涼子ちゃんが同じ時間に係じゃなくてよかった。
いたら、絶対に追い返されていただろうし。
「ありがとう。ラインしてみるー」
私は2人にお礼を言って、スマホをスカートのポケットから出した。
未読のメッセージが2通入っている。
『学園祭に来ちゃったよー!』
『係の時間が終わったら、中庭に来てー。待ってる』
どちらも金子君からだった。
『今行くねー!』
メッセージを返したときだった。
「涌井君ー」
後ろで可愛らしい声がした。
振り返ると、桃高の制服を着た綾美ちゃんが、涌井君に手を振って歩み寄るところだった。