キミの空になりたい
……付き合い始めて、初めて見る2人の姿。
やっぱり胸が痛い。
涙もじわじわとこみあげてくる。
ダメだ……。
ここにいたら、ダメだ。
クルッと背を向けて、慌てて走り出す。
足が震えて上手く走れず、何度か転びそうになったけれど、何とか体勢をととのえて走り続けた。
「あれ?汐音ちゃん。走ってきてくれたの?」
「か、金子君……」
中庭に行くと、金子君は棒つきキャンディーを食べていた。
私に気が付いて、立ち上がる。
「あ、うん。待たせちゃ悪いなーって思って……」
「……ウソつくの下手でしょ?すっごい悲しい顔してるのに」
そう言って、金子君はポンと私の頭に手を置いた。