キミの空になりたい

可愛い子は泣いている姿も可愛い。


涙だって、宝石のような涙……とか表現できるかも。



「……涌井君が告白してくれて、本当に嬉しかった。これでまた中学の時みたいにいられるんだって。……でもね」


「……でも？」


「２人で一緒にいても、気をつかうばかりだった。今度こそ失敗しないようにとか、こんな事を言ったら嫌われるんじゃないかとか、変に意識しちゃって、ずっとぎこちなかった。何年たっても、想いは色あせなかったけれど、やっぱり一緒になるまでには時間がたちすぎたのよ。……上手くいかなかった」


「そんな……」



私は言いかけて、ハッとした。



『上手くいかないと思ってる』



金子君の言葉だ。


もしかして、金子君は最初からこの事に気が付いていたというの……？