キミの空になりたい


涙をぬぐった綾美ちゃんはニコッと笑った。



「これからね、私は金子君に告白しようと思ってるの。でも、その前に汐音ちゃんの気持ちが聞きたかったんだ。……でも、私のカン違いだったみたいだね。汐音ちゃんは、金子君じゃなくて、涌井君の事……」


「……うううう」



涙があふれだしてきた。


涌井君が綾美ちゃんと想い合うのなら、それは仕方がない事だって、思ってきた。


それなのに、こんな終わり方って……。


想い合ってきたのに、戻るのが遅すぎただなんて……っ!



「……来週、桃高が学園祭なの。ぜひ遊びに来てね。私のクラスもお化け屋敷やるんだよー」



綾美ちゃんはそう言って、ニコッと笑った。


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