キミの空になりたい
……こんな時でも笑わなくちゃダメ?
もう、金子君との失恋同盟は存在しない。
私には泣き場所がなくなってしまった。
涌井君はその場にしゃがみ込んで、床についたガムテープをはがす作業を始める。
もう、今考えても仕方がない。
終わらせてから……。
その時、積み上げてあった机がぐらついた。
固定されていたひもを切ったせいだろうか。
「涌井君!危ない!」
「え?」
考えるより先に体の方が動いた。
気が付いていない涌井君の体を力いっぱい押しのけた時、
ガラガラガラと大きな音をたてて、机が私の上に崩れ落ちて来た。
あのまま涌井君に落ちてきていたら、肩をケガしていたかもしれない……。
体中に打ち付けられるような痛みが走ったところまで覚えていたけれど、その後は意識を手放してしまった……。