キミの空になりたい
……頭が痛い。
机がぶつかったショックで、きっと忘れていた事を思い出したんだ。
涌井君に当たらなくて本当によかった。
だって、野球を続けて、その世界をもっともっと見たいんだって話していたんだもん。
ケガをしたらその世界が閉ざされてしまう。
そう思ったから、体が自然に動いたんだね。
ああ、もう情けない話。
本当なら私もカッコよくよけるはずだったのに。
アクションスターもビックリなほど、華麗にさ……。
やっぱり、部活を引退してから運動神経が鈍っちゃったのかな……?
「あーもう、走り込みまた始めようかなー」
そう言った自分の声で、目が覚めた。
目を開けると、白い天井が見える。