キミの空になりたい
見覚えのある天井。
ああ、もしかして保健室?
誰かが運んでくれたんだ……。
「重かっただろうなぁ……」
運んでくれた先生に後でお礼言わないと。
「……気が付いた?」
「……えっ?!」
カーテンがあいて、顔を覗かせたのは涌井君。
予想もしなかった事に、私は急に慌てる。
「ごめん……。本当に……」
「あ、ううん。涌井君が謝る事じゃないよ?私が勝手にやった事だし。でも、やっぱりよけられなかったのは、運動神経鈍ったせいだよねー。来月体育祭あるし、走り込みまた再開しようかなって……」
重苦しい空気は嫌だった。