キミの空になりたい


「……西口に告白して、付き合い始めた時はよかったんだ。中学の時のようにまた、2人だけの特別な時間ができるんだって、そう思っていた。でも、そうじゃなかった……。何ていうか、あの頃あったような自然さが全くなくなってしまっていたんだ。一緒にいても、遠慮しているようなそんな感じで」



綾美ちゃんの話と全く一緒だった。



「それと同時にもう一つ気が付いた。……藤波さんの存在だよ」


「……え?わ、私……?」



驚いて思わず起き上がってしまった。


私の存在が……何?



「辛い時、苦しい時、なぜか藤波さんはオレが一番欲しいと思う言葉をいつもくれたんだ。プレッシャーに押しつぶされそうな時も、『頑張れ』なんて言わないで、全然関係のない話で笑ってくれた」


< 326 / 341 >

この作品をシェア

pagetop