キミの空になりたい


四葉台西公園で笑い合った事を思い出した。


誰だって、プレッシャーに押しつぶされそうな時は、『頑張れ』なんて言葉を必要としない。


ただ、そばにいて笑ってくれるだけでも心は晴れるんだ。


私がそうだったから、そうしただけ……。


かけぶとんをギュッと握りしめる私。



「西口と付き合い始めても、藤波さんの事ばかり考えてた。ここで笑ってくれるのになとか、藤波さんだったらこんな時、どんな事を言ってくれるんだろうとか……」


「……」


「……藤波さんが金子とコーヒーショップにいるのを大輔と見た時、オレ気づいたんだ。藤波さんを誰にも取られたくないとか、渡したくないとか……。告白を断っておいてなんだけどさ……」



もしかして、それって……。


逆転サヨナラ満塁ホームランに匹敵しちゃう……?


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