キミの空になりたい


「金子に言われた。オレのせいで藤波さんが何度も何度も泣いたって。……さっき、西口とは別れて来た。お互い想っていた時間は長かったけど、長すぎたせいでやり直せるタイミングがズレたんだんって。……西口とはまたいい友達関係に戻れると思う。西口も金子と上手くいきそうだし」


「何度だって泣くよ。だって私は涌井君が……」


「ストップ」



私の言葉を制止する涌井君。



「今度はオレから言わせて欲しい。……オレは藤波汐音が好きです。オレと付き合って下さい」


「……よ、よろしくお願いします……っ!」



こんな結末を迎えられるとは思ってもみなかった。


ポタポタと涙を流すと、涌井君がそっと抱きしめてくれた。



「……もう、金子とラインしないでくれ。あいつ、オレの知らない藤波さんたくさん知っててムカつく」



涌井君はボソッとすねたようにつぶやいた。


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