キミの空になりたい

好きな人



放課後。


自宅のある最寄り駅の駅ビルに入っている、文房具屋さんに寄ってみた。


キョロキョロと店内を見回しながら、目的の物を探す。



「あったー」



誰にも聞こえないような小さな声だったけれど、思わず口から出てしまった。


目的の千羽鶴用のミニ折り紙のセット。


なんと、残りはあと一つだった。


やはり、この時期はどこの学校でもどこの部活でも、千羽鶴を折っているのだろう。


私はそれを手にすると、クルッと方向転換をする。


確保できてよかったとホッとして、それをレジへ持って行った。



「ありがとうございましたー」



レジのお姉さんに袋へ入れてもらうと、出口へと向かう。


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