キミの空になりたい


私と入れ替わりに、桃野宮高校(略して桃高)の女子生徒がお店に入ってきた。


長いサラサラとした綺麗な髪に、色白の可愛い子。


外が暑いのもそうだろうけど、走ってきたのか、頬が赤く染まっていた。



「あ、すみませーん。千羽鶴用のミニ折り紙のセットはないですか?」



その子がお店の人に聞いているのを見て、ドキッとする私。


私が買ったのは最後の一つ。


お店の奥に在庫がある事を願いながら、私はお店を出た。



桃高は、私が通う四葉台高校の近所にあり、最寄り駅が一緒だ。


私と同じ中学に通っていた同級生も何人か、桃高に進学している。


ちなみに、学力だと桃高の方が少しレベルが高い。


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