キミの空になりたい
さっきの子も、きっと頭がいいんだろうなぁ。
千羽鶴用のミニ折り紙セットを探しているなんて、誰かのために折るのかな?
あんなに可愛い子が、自分のために千羽鶴を折ってくれたのなら、もらった人は本当に幸せ者だよね。
そんな事を考えながら、夕焼けに染まった道を、私は家に向かって歩いた。
「これで、オレンジラストだっ!」
くるみはそう言いながら、オレンジ最後の1枚を手にした。
昼休み。
私とくるみは、教室ではなく、視聴覚室で昼食をとっていた。
教室では千羽鶴を折れないので、誰も来なさそうな視聴覚室に来たんだ。
貴重な長い長い休み時間だし。
中庭だと暑くて長時間、そこにいる事はできないしね。