キミの空になりたい
「終わったーっ!汐音が手伝ってくれたおかげだよー!」
「そんな事ないよ。私が手伝ったの、途中からだもん」
「それでも、ありがたいよ。ご利益あるといいなぁー」
完成した千羽鶴を眺めながら、くるみはポツリとつぶやいた。
それは私も思う。
くるみの分の千羽鶴を折る前に、少しでもご利益がありますようにって、学校帰りに神社に寄ってお願いしてきたし!
「じゃあ私、これを野球部の部室のロッカーに入れてから教室戻るから、先に行ってて」
「うん……」
片づけを終えて、千羽鶴の入った紙袋を見せながらくるみはそう言った。
手を振って、くるみを見送ると、私は先に教室へと向かう。