キミの空になりたい
願いごと
涌井君の事が好きだって、自分の中で認めてしまったら、少し気持ちが軽くなった。
もちろん、彼の姿が視界に入るたびにドキドキするのは変わらないけれど。
ただ、くるみの好きな人がわからないから、彼女には言えない。
だから、涌井君に恋しているっていう事が表に出ないように、平静を装うのは意外と難しかった……。
「今日の放課後、ベンチ入りメンバーが発表なんだよー」
地方予選開幕まであと一週間。
お弁当を食べながら、ニコニコとしながらくるみが言った。
「そっかー。お守りの準備は大丈夫?」
「それは大丈夫。千羽鶴は試合当日だし、バッチリだよー」
私が聞くと、くるみは親指と人差し指を丸めて、オッケーサインを出した。