キミの空になりたい
第2章
二つのお守り
「涌井君、予想通りの背番号1だったよ」
次の日、学校へ行くと挨拶よりも先にくるみがそう言った。
くるみは私が涌井君の事を好きだと言うのは知らないはずなのに。
正直、ドキッとしてしまった。
「あ、そうなんだ……?」
私はドキドキしながらも、笑顔で答えた。
涌井君の事を一番先に報告するっていう事は、くるみの好きな人はやっぱり……?
「うん。あと、上原君と五十嵐君もベンチ入り決定したよ」
「そっか。同じクラスから3人もベンチ入りなんてすごいね」
「うんうん。それと作ったお守りあげたから、今日から野球部みんなエナメルバッグにつけてるよ」
くるみの話にまた、ドキッとする。