キミの空になりたい
「上原君ってキャッチャーなの?」
「え?今さらそんな事聞くかー?藤波さん、くるみと仲がいいのに、知らなかった?」
「うん。くるみとは野球部の話をあまりしないし……」
「そうそう。やっと、興味持ってくれたし、汐音に鶴を手伝って……」
「コホン」
千羽鶴の事はサプライズじゃなかったの?!
私は、わざとらしく咳払いをした。
それに気づいたくるみは、ハッとして口をおさえる。
「何だ何だ?」
「な、何でもないからっ!」
不思議そうな顔をしている上原君だったけれど、くるみはごまかすように笑いながら、両手を振る。