キミの空になりたい
最後だから。
負けたらもう引退なんだって、そういう想いが急に心の奥底から湧き上がってきたから。
変なプレッシャーに押しつぶされそうだった。
それに負けないように、毎日神社に通って、強く強く願っていたっけ……。
涌井君も同じなんだ。
地方大会が開幕する前から、すでに戦いは始まっている。
自分との戦いが……。
「おう、翔平。ちょうどお前の話をしてたんだ」
「……オレの話?」
教室に入ってきた涌井君。
上原君は手をあげて、あいさつした後、そんな事を言った。
……ちょっと待ってよ。
心の準備がまだできていないんだけど……!