キミの空になりたい


「おはよう」


「お、おはよう……」


「おはよう、涌井君」



私たちに気が付いて、涌井君は軽く会釈をしながら、挨拶をしてくれた。


ドキドキしながら挨拶を返す私とは対照的に、くるみはニコッと笑って挨拶を返す。


……くるみと比べたら、私の印象はあまりよくないかも。


挨拶くらいで緊張しちゃうなんて……っ!



「今日から部活動禁止だけど、自主練して行くだろ?」


「ああ、うん。でも、テスト前だから少しだけな」



上原君の問いかけに、うなずきながら答える涌井君。


横で聞いていたくるみは、はぁっとため息をついた。



「だからー、ほどほどにして欲しいんですけど!」


「ちょっとだけだって」



あきれた顔のくるみに、上原君は苦笑いしながら、手をあわせている。


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