キミの空になりたい
「ちょっとだけって、絶対そんな事ないでしょ?」
「あのなー、中学の頃からバッテリー組んでるんだぜ?俺達。翔平のほどほど加減は俺が一番よく知ってるんだって」
「はいはい、いつもの事ながら、いいカップルですこと」
「ハハハ。相思相愛だもんなー?」
上原君が茶化すように涌井君に振るけれど、彼は困ったような顔で首をかしげながら笑っていた。
くるみはプッと頬をふくらませている。
「まさかとは思うけど、本当にカップルじゃないでしょうね?部内恋愛禁止だよ?」
「嫌だよ、オレの方がお断り」
「あ、そういう事言うのかよ?俺、泣いちゃうよ?」
バッサリ切り捨てた涌井君に向かって、上原君は大げさに泣き真似をする。