キミの空になりたい


隣でくるみはクスクスと笑い始めた。


ただ単に仲がいいっていうわけじゃない。


ずっと一緒にいた、『絆』というものが濃いんだ……。



「そっか。相思相愛なんだ……?」


「え?ちょっとちょっと、藤波さん?本気にしないでよ?冗談だから」



何気なくつぶやいたのに、しっかり上原君に聞こえていたらしい。



「あ、いや、違うの!変な意味じゃなくて、ほら、何ていうか、お互い考えている事がわかっちゃうのかなーって、投球練習を見てた時から思ってたっていうか……」



私は慌てて弁解をする。



「バドミントンなら、ダブルスを組んでる相手と相思相愛……みたいな……」


「……解釈の仕方、あってるよ。大丈夫」



涌井君は静かにうなずいてそう言った。


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