キミの空になりたい


「……うん」



そんな顔で言われたら、認めなくちゃいけない気がした。


コクリと小さくうなずくと、くるみはパッと嬉しそうな顔になる。



「お互い、頑張ろうね。野球ボールのお守りの事は気になるけど、汐音には自分の気持ち、大切にして欲しい」


「うん……」



あのお守りを見た時、心の底からショックだった。


好きになった期間は短いし、今ならそんなに悲しまずに想いを止められるんじゃないかって思ったんだ。


……でも、そんなに簡単に止められるような想いじゃない。



きっともう、引き返せない。


たとえ、涌井君に彼女がいたとしても、失恋確定だってわかっても……。



私は、涌井君の事が好きなんだ……。


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