キミの空になりたい
止まったとたん、エナメルバッグについていたお守りが揺れた。
野球ボールのお守りをそっと手にして、オレは大輔の方を振り返った。
「引きずってるとか言うな。継続してるだけだ」
「……何だよ。もしかして、それも西口からもらったのか?」
大輔の問いかけに、オレはうなずいた。
昨日、部活が終わって帰る時に、電話がかかってきた。
相手は西口。
西口は中学の時の同級生。
今は桃高に通っている。
オレと西口は、中学3年の時、付き合っていた。