キミの空になりたい


結局、卒業を境にオレと西口の中は自然消滅となった。


春休み中は四葉台での野球部の練習に参加するようになって、毎日毎日、グラウンドで汗を流していた。


野球に集中する事で、西口の事を忘れようとしていたのかもしれない。



高校に入れば、この事は忘れ、新しい出会いをし、新しい恋が始められるだろう。


そんな風に思っていたのだが、どうしてもできなかった。


卒業するまでは、同じ教室内にいた西口だったけれど、今では同じ校内にもいない。


無意識に西口の姿を探してしまう自分がいて、想いを断ち切れていないのだと自覚せざるを得なかった。


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