【短編】ばいばい
「……キスしていい?」
「え? えぇ……」
突然の事にパニくってしまう。
どうしょう!?
でも、見上げた隼人と目が合うと自然と落ち着いた。
黒い瞳が優しくみえた。
「……うん」
軽く唇が触れる。
初めてじゃないのに凄くドキドキして。
離れた後も、ずっと抱きしめられてた。
今までが嘘みたい。
凄く幸せで……初めて隼人と近くになれたんだ。
「美優……好きだから」
「え……?」
「もう、言わねーから」
「え? 隼人?」
真っ赤な顔してぶっきらぼうに言った隼人は、顔を横に向けた。
それを見て下を向き、隠れて笑ってしまったんだ。
もう……“ばいばい”なんてしないから。
隼人、大好きだよ。
-END-