【短編】ばいばい
って……は?
居留守?
もう一度チャイムを押したが、何の反応もない。
え?
もう出かけたのかよ。
もしかして!?
男んとこ?
マジかよ……。
その場にうなだれた俺の目線の先には、ドアのノブ。
確認するかのように手をかけてみた。
……開いてるしっ。
立ち上がりゆっくりとドアを開け
『美優?』
と声をかけた。
何故か、その場に座り込んで泣いてる美優が目に入った。
“抱きしめたい”
口では、どうしたんだとか心配してるくせに、頭の中はそれだけで。
でも玄関なんかで親が帰って来たら、美優が何か言われるかもしんねぇ。
取り合えず、冷静を保って、美優の部屋まで行くまで我慢。
何が……何があったんだよ?
部屋に入った途端、抱きしめる俺を嫌がらない美優。
あ゙~!
このまま押し倒しそー……。