【短編】ばいばい
さっきまで出てた涙は、簡単にまた溢れ出した。
「えぇっ? ……わりっ。やっぱ嫌か」
焦って私を引き離す隼人の目を見た。
「……ひっく」
「くそっ……どーすりゃいい?」
俯きながら呟く。
「隼…人……っく……が、わかんない」
「え? 何で?」
「私の事……嫌いなのに……何で抱きしめたりするの?」
「はっ? 嫌い?
俺がお前を?」
コクッと頷く私を見て目を丸くさせた。
「はぁー、俺……嫌いなんて言ってない」
「でっでも……、私と逆の気持ちって」
「あぁ、逆だろ?
……はっ!?」