【短編】ばいばい



さっきまで出てた涙は、簡単にまた溢れ出した。



「えぇっ? ……わりっ。やっぱ嫌か」



焦って私を引き離す隼人の目を見た。



「……ひっく」

「くそっ……どーすりゃいい?」



俯きながら呟く。



「隼…人……っく……が、わかんない」

「え? 何で?」

「私の事……嫌いなのに……何で抱きしめたりするの?」

「はっ? 嫌い?
俺がお前を?」



コクッと頷く私を見て目を丸くさせた。



「はぁー、俺……嫌いなんて言ってない」

「でっでも……、私と逆の気持ちって」

「あぁ、逆だろ?
……はっ!?」








< 9 / 21 >

この作品をシェア

pagetop