約束。
「え・・・」
ダンス室の扉の前にいたのは、
「この間の・・・」
「どーも」
女がいた。
やっぱどっかで会ったことあるよ。
「・・・なに?」
「いや、これ・・・」
俺の、鞄についていたはずのストラップ。
「なんで・・・」
お前が持ってんの?
「拾った。渡そうとしたら、お前・・・走ってっちゃうから」
「制服は知ってたから、学校の・・・人に聞いた。」
彼女は涼しげな顔で言った。
廊下の証明は暗く、昼間でも怖くなるくらい。
それなのに、彼女の顔はとても生き生きとして見えた。
「はい」
「あ、さんきゅ」
「じゃ」
これで、彼女と別れれば
もう2度と会えない気がして。