The Story~恋スル君ヘ~
声を聞いて、思い出した。




いつも楽しげに放送しているあの声。
明るく、爽やかな、あの声。






テニスの練習の時に、朝イチで入る放送。
『おはようございます』



昼休みに流れるやわらかな声。
『冬咲高校校内放送の時間です』




帰るときにすら爽やかな笑みを含んだ声。
『明日もよい1日を』











あぁ、そうだ。
放送のたびに、彼女の声を探してた。


彼女の声だと心が浮き立った。
違ったら、ちょっと沈んだ。





『ただいまの放送は・・・』







あの声だ。








『三峰 夏帆でした』


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