The Story~恋スル君ヘ~
その姿が、心に突き刺さる。






バスケに対して、限りなくひたむきな姿。





勉強はおろそかにするくせに、
放課後になると、真っ先に体育館に走る。








あたしのことなんか、振り向きもしないで。



悔しくなかったかと言われれば、悔しい。
淋しかったし、面白くなかった。


でも、今は思う。

彼の好きなものを好きになりたい、って。




原沢は、いつもテニスを頑張っている。

放課後は、誰より早くテニスコートに行き、
何度も、何度も、素振りの練習。


朝にも、昼休みにも、その姿はある。


時には、大事な試合のせいで
夏帆とデート出来ない週末だってある。




だけど、夏帆は怒らない。

むしろ「頑張ってね」と、優しい声で応援する。


それはたぶん・・・ほんとに、原沢のことを好きだから。



好きな人の好きなものを、好きになること。

それは、時にひどく難しい。


でも、成し遂げられるということは、
それほどの深い想いがあってこそ。






あたしも・・・誓志のこと・・・







ほんとの意味で好きになっていけてる・・・?




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