The Story~恋スル君ヘ~
「よし、1回カットしよっか」

夏帆の指示で、映像はいったんカット。

次は、インタビュー。
これこそ、放送部の腕の見せ所。


いかに、相手を相手らしく撮るか。
その手腕を発揮する最大のチャンスだ。



「じゃ、頼むかな」

夏帆は、何気なさそうに、岡山を呼ぶ。

「岡山クン、誰がこのチームのエースなの?」

「エース?そりゃ、分かりきってるだろ。
 もちろんこの岡山 友康サマ・・・」

「却下」

「すげねえなぁ、三峰は・・・。
 んー、まあ、誓志だろうなぁ、やっぱり。
 県の強化選手にも選ばれてたし」


岡山のコトバに、つい身を乗り出す。

「け、県の強化選手・・・!?」

「あぁ、うん。でも、断ってたし」

「何で・・・」

「うーん、何かよく分かんねえけど、
 学校での活動を優先したいからって。
 せっかくのチャンスだったのになぁ」


惜しそうな顔の岡山。

・・・知らなかった。
彼のそんな強さ。
そんな・・・秘密・・・。






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