The Story~恋スル君ヘ~

コウキside

「こーぉきーーーぃ!」


テニスコートに響く明るい声。


暑い。
すげぇ、暑い。


だから、マジで尊敬するよ、夏帆。
毎日弁当差し入れてくるお前のこと。


ほんと、お前はすげぇ。



今日は、焼きおにぎり。
食べやすさにも気を遣っているんだろうな。

鶏の唐揚げ。

ちょっと甘めの卵焼き。

それと、栄養バランスも考えてか、
野菜炒め。



どれも、うまい。




・・・いい奥さんになれそうだな、とか。


そういうことを考えてる俺は、
やっぱり夏帆に惚れてるんだろう。


夏帆は、いい彼女だ。
優しいし、聡明だし、料理上手。
これ以上無いくらい、最高の彼女。






だから・・・言わない。
言えない。










俺には、一つ、隠してることがある。
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