The Story~恋スル君ヘ~
目に、細密な景色が飛び込んできた。




・・・それは、俺が見慣れた光景。






テニスコート。






美術室の窓から描いたのだろうか。
上から見る構図だった。



テニスコート。
その周りの木々。



そして、俺たち、テニス部員。




やわらかな木漏れ日。
風の揺らぎ。


そんなものまで細やかに表現できる、
絵という芸術のすさまじさ。






鉛筆で書いたらしく、モノクロだったが、
信じられないほど精緻な絵だった。





俺は、言葉を失った。





“感動”の色を知った気がした。







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