三次元男子、攻略法。
「美緒が小学生の頃、」
「シーっ!!!静かにして!!!」
小声ではなく、普通の音量で話し出そうとするなっちゃんを慌てて止める。
浜崎斗真との距離は、近くはないが遠くもない。
女子に囲まれて質問攻めにあっていれば、聞こえてる可能性は低い。
私は気づかれないように横目でちらりと様子を伺う。
と、ばっちり合ってしまった視線。
まさかの出来事に、これでもかってぐらい不自然な動作でグリンと顔を前に向ける。
やばいやばいやばい。
バレてないよねこれ。
たまたま目が合っただけだよね。
うん、そうだよ、たまたま。