三次元男子、攻略法。
彼はその後何も言うわけでもなく、さっそうとあたしの横を通り過ぎる。
が、少し先まで歩いた後、くるりとあたしの方を向き直る。
そのせいで浜崎斗真と視線が合うことになったあたしは、少しだけ動揺しながらもその目を見つめる。
すると、急にフッとバカにしたような笑いを浮かべた後、
「その様子じゃ、勝負あったも同然だな」
と言って再び歩き出した。
「は、はぁぁぁぁ!?」
急いであたしはその後姿を追いかけると、
「別に、決まってないし!!!これからだし!!!」
と、言わなければいいものを言ってしまう。
そして、言ってしまった後に自分の負けず嫌いな性格を恨んだ。