三次元男子、攻略法。
効果音が「パチン」じゃなくて「バチン」の時点でやばい。
虫がいたら、潰れるなんてもんじゃなく木端微塵になって跡形もなくなっていると思う。
叩かれた頬をさすりながら校舎へと足を向けると、周りの生徒たちからの視線が先ほどとは比べ物にならないくらい突き刺さる。
その視線に、はぁ、とため息が漏れる。
ちょっとかかわっただけでこの有様だ。
もう浜崎斗真にはかかわらない方がいいのではないかと頭の中でもう一人のあたしが警告する。
だけど、それができないのは昨日宣言しちゃったからっていうのもあるけど、何より二次元を好きなことをバカにされたことが悔しかった。
だから、あんな馬鹿にした二次元でも役に立つことがあるってことを証明したくて。
「・・・・・あたしに惚れたら、絶対土下座させてやる」
熱を帯びている頬をさすりながら、あたしはそう呟いて校舎へ向かった。