三次元男子、攻略法。
やばいやばいやばい。
これは私の前髪の毛根の危機。
主人公のみんな、こんなつらい思いしてたのね。
悪いけど私はこんな痛いの我慢してまでヒロインの男の子が駆けつけてくれるのを待てない。
その瞬間、フン!!と私は掴まれていた頭を前に振る。
当然、目の前には佐藤さんの顔面があったわけで。
「い゛っ!?」
ゴチンッ!!と、なんとも鈍い音がして前髪を掴まれていた鋭い痛みの代わりに、額に鈍痛が走る。
あぁ、頭突きなんて初めてした。
石頭に産んでくれてありがとう、お母さん。
でもできればもう二度としたくはない。