三次元男子、攻略法。
グワングワンと目が回る中、
「な、にすんのよ・・・・・」
と、佐藤さんが涙目になりながらよろよろと立ち上がる。
周りの取り巻き達は、まさかの展開にどうしていいのかわからずオロオロしていた。
「いや、ちょっと髪だけはやめてほしいなと・・・・・。うちの家系みんな髪が細いので、勘弁してください」
いや、だって本当にやばかったんだもん。
本当に前髪禿げそうな勢いだったんだもん。
でも、私は相手を、というより佐藤さんを怒らせる天才なようで。
真っ赤な顔してワナワナと震えだし、拳を振り上げた佐藤さん。
えぇ―—————!?拳!?うそ!?今度は拳ですか!?
さすがに拳は我慢できる自信が・・・・・
ギュッと目を瞑り、こんな顔でもどうにか守ろうと防御態勢をとる。