Revenge × vengE
事故か、事件か知らないけど
あの出来事が起きたのは今からもう7年も前のことだ。
結局父は、父らしくない姿を娘にさらけ出して亡くなった。
まだ37歳だった。
当時12歳だった姉・乃木原美玖は大学に通い始めていて、
その妹である私も小学校をとっくに卒業してもう中学2年生だ。
とは言っても、私は姉と同じのように毎日学校に通っているわけじゃない。
あれ以来、私の性格は驚くほど豹変してしまった。
昔は生意気でいたずらっ子だった(と姉に言われていた)が、今は引きこもり状態。
パソコンの画面とにらめっこして
家族が家にいない間にカップラーメンを作って部屋に持ちこんで
ベッドに寝転がってボーっとして
そしてベッドの上で9時にドアをノックしてくる姉を待つ。
毎日がこれのローテーション。
((コンコン!!))
「明日香ぁー?まだ入っちゃだめなのー?
そろそろお姉ちゃん入れてくれてもいいじゃない!」
ほらまた、9時ぴったりだよ。
今夜も姉は明るい声で私の名前を呼んだ。
「明日香ってばぁー!! ハァ~ったくもー・・・」
(あの声、作ってるのかな・・・?)
無意識に鼻がツーンとする。
顔を枕に押しつけるようにまた寝そべっていると、自然と涙が込み上げてきた。
・・・これもまた毎日のローテーションの一環。