『アナタさ、』
「ハルいいなぁ〜」
「だよね、蓮見くんの後ろなんて!」
「蓮見くん見つめ放題じゃん」
きゃっきゃっと、話に花を咲かせる派手めな女の子三人組に、私は苦笑いを浮かべた。
…代わっていいなら、土下座してでも代わってほしいです。
もちろん、それは口に出すことなく、自分の胸の中に収めた思いだった。
教室の中を見回すと、前の扉のそばの席に蓮がいて、その左斜め後ろの席にこのみちゃんがいた。
ふたりとも、私と同じように苦笑いを浮かべていた。