『アナタさ、』
蓮見くんは、成績もよく運動もできる。
でも、部活には入ってなくて、放課後になったらまっすぐに家に帰っていく。
一ヶ月に一度は、学校を休んでいる。
制服も、今は冬服に移行したばかりだけど、ダボダボのセーターをうまくきこなして着崩している。
だけど、誰も彼を咎めたりはしなかった。
一年の時に、注意を受けたものの、理論で跳ね返したやら、無言を貫いたやら…
どれが本当かもわからず、噂は飛び交い…
彼は謎のオーラをまとっていた。
それも冷たいオーラだった。
人を、寄せ付けないような。