『アナタさ、』


私も彼に話しかけたことがあった。
彼は学級副委員長で、委員会も一緒に参加するのだけど…

「蓮見くん、委員会は?」

「行かない。ふたりもいらないでしょ」

そう、言われてしまったのだ。

確かに委員会は特に話し合うこともなく、すぐに解散される。
一度だけ、ふたりで参加したことがあって、その時彼が不機嫌にしていたことを覚えていた。

だから、私はもう誘ったりしないし、委員の仕事もできる分は一人でこなしている。
何より、彼にまた何か言われることが怖かった。

彼は…
私の苦手としている人に似ているから。

だからといって、彼を苦手としていい理由はないのだけれど…


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