『アナタさ、』



蓮は中学から続けている部活、吹奏楽部にもう行っていて、このみちゃんとはさっきばいばいをした。

教室の中からは、すぐに人がはけた。

放課後の教室…
委員の仕事で残ることが多いから、全然珍しくもない。

私は、この時間の教室が結構好き。
誰もいなくて、静寂に包まれて。

今日は雨だから、グラウンドから運動部の声も聞こえて来なくて、特に静か。

窓から少しずつ日がくれていく様子を見て、バラバラの机を並べた。
窓の鍵も確認して、カーテンをしばった。

いつもの仕事が終わり、私は席についた。

日誌には、日直者の所に「蓮見」と名前だけ書かれていた。
綺麗で、線が細くて。
だけど決して弱くない文字だった。

この字、好きだなぁ…

当の本人は苦手だけどね…

自分のペンケースからお気に入りのシャーペンを取り出し、今日の出来事を振り返った。


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