『アナタさ、』
そんなこんなで日誌を書き終え、蓮見くんは職員室に提出しに行った。
私は帰ろうかとも思ったけど、なんだか申し訳ない気がしたし、まだ教室にいたいということもあって、戸締りの最終確認をしていた。
それが終わり、やっと自分の帰りの用意を始めた。
カバンにすべて入れ終えたとき、蓮見くんは戻ってきた。
「ありがとう、助かった」
いつもの無表情で、少しだけ目を合わせて言った彼に対し、私の印象が変わった。
「どういたしまして」
私は席替えの時と同じように微笑んで見せた。
彼はもう、怪訝な顔をせず、少し会釈をして窓の外をみた。
…あれ、ちょっと待って。
前髪の間から少し見えた瞳。
それが今、私には青く見えた気がした…
…色も白いし、ハーフかな…?
新しい彼を知った瞬間だった。