『アナタさ、』
そんなこと、今まで誰ともしたことなくて、しかも相手は意外と人気な蓮見くん。
これは、クラスのあの三人が見たり聞いたりきたら発狂するな…
少しだけ背筋が震えた。
だけど彼は、それを少し違う風に解釈をしたらしく、カバンを肩にかけ、その空いた右手で私の肩に触れた。
少し肩が跳ねて、顔に熱がこもるのを感じた。
「冷たい。濡れたら意味ない」
掴まれた私の肩は、蓮見くんの方へ引き寄せられた。
彼は、少しだけ厄介だ。
この日から、私の日常はすっかり変わってしまった。
いい方にも、悪い方にも。